熊本大学 理学部

理学部通信

3、4年生の活動

数学コース

数学コース長 三沢 正史

 2023年度、数学コースには51名の3年生が進級しました。3年生の歓迎会は4年ぶりに4年生、大学院生および教員が集って行いました。授業および実習についてもほぼ感染症前通りに実施され、やっと通常の大学生活が戻りたいへんに安心しました。理学部の授業および演習はやはり対面形式で行うのが効果的です。一方で、感染症の期間に培った遠隔の授業方法を適宜援用して感染症状のある学生は遠隔授業を受講することできました。数学コースでは学習室、図書室などで同級生同士の勉学の交流ができたことはたいへんによかったです。4年生は研究室に配属され、毎週行われる少人数セミナーにおいて、同級生に加え研究室の先輩ともつながりができたと思います。今年度の卒業研究発表会は感染症前のとおり実施されます。各研究室のセミナーで本格的に勉強した数学の成果を発表し卒業研究論文にまとめます。卒業研究論文作成によって身に付けた数学的思考力や読解力をもとにそれぞれの将来の進路に進んで活躍できることを期待しています。昨年の「夢科学探検」では、一昨年度に続いて、数学コースの催し物が受賞しました(大賞を逃したのは残念でした)。フラクタル図形の性質についての数学的な話題は、とても興味深い内容でたいへんによかったと思います。

物理学コース

物理学コース長 高橋 慶太郎

 2023年12月に生協FORICOにて物理学コースの交流会が開催されました。コロナ禍以前は毎年4月に3年生の歓迎会が行われていましたが、ここ数年は開催できずにおりました。交流会には教員、学部3・4年生、大学院生など36名が参加しました。久しぶりの交流会での交流を促進するため、参加者の名札には名前や学年だけでなく趣味や特技、好きな物理学者、好きな物理法則などを印刷して話のきっかけになるよう配慮しました。さらに交流会の後半では上級生・教員を6つのグループに分けて別々のテーブルに待機させ、3年生も6つのグループに分けて上級生・教員のテーブルを訪問して交流するという企画を行いました。しばらくの交流のあと、3年生のグループは隣のテーブルに移動してまた交流します。3年生たちは教員に研究内容について聞いたり、先輩に卒業研究のやり方や大学院での生活のことなどを聞いたりしてとても参考になったようです。

交流会写真

化学コース

化学コース長 井川 和宣

 化学コースの醍醐味は専門性の高い講義とともに、実際に手を動かして観察し、結果を得て考察をする「化学実験」にあります。新型コロナウイルスの感染対策下では対面での実験が制限されていたために、本来の醍醐味を感じることが難しい状況にありました。これに対して、現在の4年生からは以前の実験形式への移行が始まり、今年の3年生はほぼ以前と同じように化学実験に取り組むことができています。私が担当する有機化学実験でも思いもかけない結果が得られて、戸惑い、頭を抱える学生さんもいますが、それも研究者になる準備段階である3年生にはとても良い経験です。また、研究室に配属された4年生達も、授業の内容だけでは全く太刀打ちできない研究の世界に身を置き、始めは唖然としている感じでしたが、最近では随分と頼もしくなりました。また、化学コースはやる気のある女子学生が多く(ケミ女?)、夢科学探検では女子学生を中心とする二つの企画が化血研賞と化血研大賞を受賞しました。

  • 学生実験の様子学生実験の様子
  • 化血研賞受賞化血研賞受賞

生物学コース ~先輩から後輩へと受け継がれる研究のバトン~

生物学コース長 副島 顕子

 今年度の生物学コースは52名の3年生を迎えました.前期の実習の選択時には,細胞履修モデルが36名,多様性履修モデルが14名でしたが,卒業研究室の仮配属では細胞から多様性へ,または多様性から細胞へという入れ替わりが例年よりも多くみられました.細分化する生物学の中でも分野間の交流があることを反映しているのかもしれません.今年の3年生といえば,1年次からコロナ禍の影響をまともに受け,対面授業も部活の機会も奪われてきた学年です.一つ部屋の研究室での共同学習生活を初めて経験することになります.おりしも4年生は卒業研究のまとめの最中で,先輩としては頑張りの見せ所です.先輩から後輩へのバトンをうまく引き継いで欲しいものです.

 12月には博士前期課程1年生の中間発表会があり,進学して成長した姿を見せてくれました.また,発表会の後には1名の卒業生が在学生へのメッセージを送る講演をしてくれました.熊本大学理学部で生物学を学んだ経験が,人生に有意義なものであったと思ってもらえれば本望です.

  • 臨海実習ではイルカとも遭遇臨海実習ではイルカとも遭遇
  • 農学系の実習も行われました農学系の実習も行われました
  • 手つきのあやしい学生実習手つきのあやしい学生実習

地球環境科学コース

地球環境科学コース長 細野 高啓

 地球環境科学コースでは,自然界の様々な現象や物質を観察・観測することが基本であり,卒業研究でも,野外調査や観測,試料分析,データ解析が研究の基礎となります.そのためカリキュラムには,野外実習も含め,数多くの実習・実験があり,それらを踏まえて卒業研究・修士研究が展開されます.今年は3年生26名,4年生22名で,講義の他,実習・実験についても完全にコロナ過前と同じような形に戻り対面で実施されました.野外巡検では,自然の中で生き生きと実習に取り組む姿が印象的でした.卒業研究においても,各教員の指導のもと,野外調査,実験・分析,データ解析に取り組み,皆それぞれが興味を抱いた個別のテーマに取り組んできました.2月上旬に開催された卒論・修論発表会では,これらの成果である素晴らしい研究の数々が発表され,今後の益々の活躍が期待されるものとなりました.

江津湖での流量観測実習の様子(2013年10月)江津湖での流量観測実習の様子(2013年10月)