熊本大学 理学部

Pure Science

巻頭言

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理学部長 磯部 博志

 "Pure Science"は、熊本大学理学部の教員が進めている研究について、自らの言葉で紹介する記事です。今年で第19号となりました。どのようなテーマで記事をまとめるか、それぞれの教員が、"これこそ自分の一押しだ!"の意気込みで書き上げたものです。記事では、高校生や大学初年次の学生を含む、自分の専門分野の研究者ではない読者を対象に、易しく、けれども本質的な部分はとことん掘り下げて説明されています。

 それはまさに、普遍的な基盤に基づいて最先端の研究成果を説明する、科学の方法そのものです。広い、多様な基盤があるからこそ、その上に多くの高い峰が存在できるのであり、理学部の研究者はみな、行き先が見えている整備された道を登るのではなく、自ら道を切り開き、まだだれも知らない頂きを目指す営みを日々続けています。それはやがて、人類の文化の発展や実社会での応用によって暮らしを豊かにし、持続可能な社会の実現に貢献するものとなるでしょう。

 今回の第19号も、それぞれの教員の熱い思いが詰まった読み応えたっぷりの記事が揃っています。お楽しみください。加えて、バックナンバーの記事もぜひ読んでみてください。きっと、皆さん自身が"あ、面白そう"と思えるものが見つかると思います。あるいは、後になって"こういうことだったのか"とうなずけることになるかも知れません。Pure Scienceが、皆さんの科学との出会いのきっかけとなることを期待して、巻頭言の結びといたします。