熊本大学理学部での研究は大学院自然科学研究科との連携・協力のもと行なわれ,地球環境共生と豊かで活力ある社会の持続的発展に貢献できる独創的かつ先導的な学術研究を推進し,高度な学術研究拠点を構築することを目指している。
研究目的
理学部は人類の叡智あるいは文化として蓄積されるべき自然科学の基礎的成果を追及することを研究の目的とする。理学部にあっては教育と研究は表裏一体の関係にあるので,教育にも最先端の研究成果が反映されるよう,不断に研究の活性化を図る。研究の遂行に当たっては特に次の事項に留意する。
- 独創的な発想を尊ぶ。
- 基礎研究を重視する。
- 学際領域の研究に積極的に取り組む。
- 国際的に通用する最先端の研究成果を目指す。
研究目標
自然科学の基礎を担う学部の特徴を前面に出し,個々の研究者の自由な発想に基づく独創的な研究を推進するともに,研究者間の相互の協力によって,世界水準の優れた研究拠点を形成し,基礎的な学問分野の継承発展に努めることを目標としている。
各講座の研究目的と特徴
- 数理科学講座
- 数学は諸科学の基礎となる学問であり絶えず発展している。新しい理論を取り込みつつ,流行にとらわれない息の長い基礎的な研究を推進する。また新しい学際・複合領域へも意欲的に取り組み,数理科学の発展,社会の発展に貢献することを目的とする。
- 物理科学講座
- 素粒子から我々の身の周りにある物質,更には宇宙まで,階層構造を有する自然界の各層における物質の物理的性質について研究し,物質に固有な性質を解明することを目的とする。
- 化学講座
- 原子,分子,イオン及びそれらの集合体の集積と離散を基礎化学に立脚して研究し,物質に固有な物性と化学反応性さらには自然環境中における物質の挙動を解明することを目的とする。
- 地球環境科学講座
- 地球システムの構成要素である,岩石圏,生物圏,水圏,気圏等の成り立ちや変動の歴史を解明し,サブシステムの相互作用に関する物質循環・環境変動の実態を解析する。これらを 通じて,地球システムのより高次な理解を目指すために新たな研究領域を開拓し,もって創造的で国際的に通用する研究成果を上げることを目的とする。
- 生命科学講座
- 生物の統合的理解へ向けて,細胞および個体の機能と分化に焦点をあて,これらの分子機構を探求することによって,生命活動における様々な現象の根幹をなす基本的な真理を明らかにし,また,生物多様性の解析と保全や,生物の環境適応機構の解析を行い,もって人類の発展に寄与することを研究目的とする。