(3) 細胞内の葉緑体数が野生型と異なる変異ラインの単離と原因遺伝子の探索

葉緑体の分裂機構と共に、非常に重要だと考えられるのが「細胞内にどれだけの葉緑体を持つか」であることは疑いがありません。葉緑体はやみくもに作れるだけ作られている訳ではなく、細胞内である一定の数が存在しています。ヒメツリガネゴケの野生型では約50個の葉緑体を次頂端細胞では持ちます。そして、例えば育てている光の量を強くすると細胞当りの葉緑体数も増えたりします。そこで、ヒメツリガネゴケのミュータントライブラリから、細胞当りの葉緑体数が変化しているラインを単離しました。

野生型と3つの変異ラインの写真

WTは野生型ラインです。434ラインは葉緑体数が野生型より多く、11ラインは極端に少なくなって巨大化しています。492は、葉緑体の数を測ってみると、実は葉緑体数が半分になっています。写真でわかりますか?

492のような葉緑体の数が野生型の半分になるという形質を持つミュータントは他の植物では見出されておらず、その原因遺伝子が何であるかが楽しみです。ただ、現在ミュータントの原因遺伝子の単離は難航しています。もし、我こそが原因遺伝子を単離してやろう、という気概がある人は、高野までご連絡ください。

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