「メービウスの反転公式」渡邉アツミ

 メービウス関数μ(n) というものがあって,自然数 n に対し,あるルールに従って 0 か 1 か -1 という値を取ります.この関数は不思議な力を持っていて,ある方法で加工されてしまった関数を,元の姿に復元することができます.これをメービウスの反転公式といいます.メービウス関数は整数以外に対しても定義され,反転公式が成り立ち,いろいろの応用があります.

「フェルマーの最終定理」成田宏秋

 32+42=52, 52+122=132 など,x2+y2=z2 となる整数の組 (x,y,z) はたくさんありますが,n を 3 以上とするとき, xn+yn=zn となる整数の組は,x, y, zのどれかが0である場合を除くと,1つもありません.これは300年以上も前にフェルマーが証明したと主張した「定理」ですが,20世紀の末にやっと正しいことが証明されました.この定理を巡るお話しを,気楽に聞いて頂けるようにしたいと思います.