確率論の先駆者たちは実に巧妙に組合せなどの問題を解いていました．そういった確率論の草創期に思いをはせ，先人の足跡をたどるうちに魅力を感じ没頭するのもいいのではないでしょうか．少しの間だけ確率論の草創期に身をおいて，確率論が持つ香りを楽しむのも悪くはないでしょう．そして，少しでもアカデミックな香りを嗅ぎとることが出来たら，それは，研究者への道を一歩踏み出しているように思います．

　有限と無限の違いを集合を使って解説します．１００個のボールを収納できる箱があり，しかも１００個すでにボールが入っていると１０１個目のボールは入りません．でももし無限個のボールを収納できる箱があって，同じく箱の中がボールで埋め尽くされているとき，更に１個のボールを入れることが出来ないでしょうか？実は出来るのです．どうすれば入れることが出来るかを説明します．
　無限に関する不思議さはこれだけに止まりません．「選択公理」と呼ばれる直観的に当たり前だと思えることを説明し，しかしそれを認めるととんでもないことが起こり得ることも説明します．