答:その x について,f(x)=g(x) を示す.


2つの関数f(x), g(x)が等しいとは,定義域が共通で,その共通の定義域のすべての点 x について
 
     f(x)=g(x)  ・・・(∗)
 
が成り立つこと,というのが定義です. まずこれが目指すゴールであることを認識していなくてはなりません.
 
次に,(∗)は関数の等式のように見えるかも知れませんが,両辺とも x における値を考えているので,実は(f(x)とg(x)という)2つの数が等しいという,数についての等式であることも把握しておかなくてはなりません. すると x は定義域のすべての点でしたから,(∗)は無限個の x についての等式ということになります. つまり我々は無限個の等式を示さなくてはならないのです.
 
有限の時間と紙面で無限個の等式を示すのは不可能ですから,そのかわり,「すべての x について」のところを「どんな x に対しても」と読み替えてやると,x を任意に選んできさえすれば,その1つの x について(∗)を示すことで,すべての x について(∗)を示したことになります.
 
というわけで,I から任意の x を1つもってくることが大事なのです.