熊本大学大学院先端科学研究部 |
基礎科学部門 数学分野 |
准教授 |
教育研究分野:幾何学 |
専門分野:
微分幾何学,部分多様体論, 曲面論
研究テーマ:
様々な空間の中の曲面上の主分布
曲線や曲面の曲がり方, 曲がり具合に興味を抱き続け, 現在に至っています. 特に曲面のGauss曲率は第一基本形式にのみ依存するというGaussの定理 (Theorema egregium)に学生の頃強い関心を持ちました. Riemann幾何学とは多様体 (曲線や曲面を一般化したもの)にRiemann計量 (曲面の第一基本形式にあたるもの)を与えその性質を論ずるもので, 今まで盛んに調べられています. 一方で (空間の中に存在する)曲面の性質には第一基本形式から定まらないものがあり (平均曲率, 主曲率, 主方向などに関するもの), これらも様々な観点で調べられています. 私は曲面 (やより一般の部分多様体)の第一基本形式から定まる性質 (内在的な性質) と曲面の空間の中での存在の仕方に関する性質 (外在的な性質) の関係を体系的に調べることを大まかな研究目標としています.
研究の成果
メッセージ
研究室で大切にしているものは, 4年生および院生に勉強してもらう内容です. それらをしっかりと勉強することによって, 在学中にまとまった内容をきちんと勉強できたという手ごたえを感じて欲しいと考えています. 微分幾何および微分幾何に関連する数学を, 特にそれらの基礎を念入りに扱うことに重点をおいています.
最近は主に次元が 3 および 4 の様々な空間の中で曲面を調べています. ただ, 実際に詳しく調べようとすると, 議論に現れる空間そのものだけではなく, その空間に関係があるより次元が高い空間についても知らないと議論が進まないのではと思うことが度々あります (例えば, 空間を含むより大きい空間がある場合や, 空間を商空間とみなすことができ同値関係で割る前の元の空間を考えることができる場合, など). 曲面, より一般に部分多様体について知ろうとすることと, 空間について知ろうとすることが入り混じってきています. また, ベクトル束或いはファイバー束における議論をしておいて, その上で元々の研究対象について議論するという話の進め方が有益であるという気がしてきています.
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