2010年度
期間:12月13日(月)〜12月17日(金)
講師:川島 秀一 氏 (九州大学大学院理学研究院)
科目名:数理科学特別講義 C
題目:対称双曲性の数学解析
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期間:11月29日(月)〜12月3日(金)
講師:桂田 英典 氏(室蘭工業大学・ひと文化系領域)
科目名:数理科学特別講義 A
題目:エルミート形式の整数論入門
授業の概要:
エルミート形式の整数論の基本的事項(ハッセの原理,局所密度,Mass formula)について講義する.
その応用としてエルミート形式のゼータ関数の明示公式を求める.この公式のadelic vesrionは
齊藤裕氏によって求められているが,ここではそのnon-adelic version(classical version)について考察する.
授業計画:
1.2次体 2.局所体 3.エルミート形式の一般論 4.エルミート形式の一般論(続き)
5.局所体上のエルミート形式 6.虚2次体上のエルミート形式(ハッセの原理)7.局所密度
8.局所密度に付随するべき級数 9.Mass formula 10.エルミート形式のゼータ関数
期間:11月15日(月)〜19日(金)初回14:30より
講師:川口 周 氏(大阪大)
場所:熊本大学自然科学研究棟3階 数理演習室
題目:代数的数の高さ理論入門
授業の概要:
1と0.999は実数直線上では近くに位置していますが,既約分数として表す
と1/1と999/1000となり後者の方が有理数としては「複雑」と考えられます.
有理数を既約分数で表したときの,分子と分母の絶対値の大きい方の対数を
とった値は,有理数の高さとよばれ,有理数の「複雑さ」を捉える量と考え
られます.高さは,有理数だけでなく代数的数にも定義され,代数多様体の
代数的点の性質を調べるときに役立ちます.
集中講義では,まず高さの定義とその基本的な性質を説明したいと思います.
次に,fを代数的数を係数とする多項式とするとき,上に述べた高さを少し変
えてfに関して良い性質をもつ高さを作ることを述べたいと思います.最後に,
この良い高さに関して,高さの「小さい」代数的数のガロア共役の分布に関す
る(Szpiro--Ullmo--Zhangに始まる)結果の一部を紹介したいと思います.
期間:11月8日(月)〜12日(金)13:00より,ただし金曜は10:00より
講師:中西 敏浩 氏(島根大学)
科目名:数理科学特別講義 B
場所:熊本大学自然科学研究棟3階 数理演習室
題目:タイヒミュラー空間論への導入
授業の概要:
曲面上の双曲構造の変形理論であるタイヒミュラー空間論への入門。
「種数g>1の閉曲面のタイヒミュラー空間が6g-6次元の開球と同相であること」の
証明とサーストンによるタイミュラー空間のコンパクト化を 目標とする。
次の項目を順に解説することによって講義を進める。
1. 準備:リーマン面と一意化定理,双曲幾何
2. タイヒミュラー空間
3. 曲面上の単純閉曲線がつくる空間S
4. 測度付きラミネーション(その1. Sの完備化)
5. 測度付きラミネーション(その2. 分類)
6. タイヒミュラー空間のFenchel-Nielsen座 標
7. Thurstonによるコンパクト化