集中講義の案内

2007年度


期間:12月17日(月)〜12月21日(金)
講師: 奥山 裕介 氏(京都工芸繊維大)
題目: 複素力学系概説

講義の概要: 複素力学系の理論を準備から始めて最近の話題まで講義する。
期間:11月26日(月)〜11月30日(金)
講師: 高崎 金久 氏(京都大)
題目: 確率モデルにおける行列式構造

講義の概要: 近年、統計力学やその関連分野において、分配函数や相関函数が行列式構造をもつ各種のモデルが注目を集めている。その代表的な例としてランダム行列が掲げられるが、最近ではランダム行列の離散化とも言うべきランダム分割や、ある種の界面成長モデル、ダイマーモデルなども同様の特徴をもつことが明らかになっている。行列式構造はモデルの可解性を保証するものであり、それに基づいてモデルが無限に大きくなるときの漸近的性質を導いたり、可積分系やパンルヴェ方程式との関連を明らかにすることができる。 この講義では、ランダム行列を中心にして、行列式構造をもつ モデルの例やそれを扱うための数学的手法を基礎から解説する。
期間:10月31日(水)〜11月3日(土)
講師: 工藤 愛知 氏(長崎大)
題目: 有限体とブロック符号

講義の概要: 有限体上の線型代数を使って,実学者の立場からみた物づくり数学としてのブロック符号の理論を解説する.
期間:10月15日(月)〜10月19日(金)
講師: 藤岡 敦 氏(一橋大)
題目: 曲線の運動と離散化

講義の概要: 曲線の運動と離散化について基本的事項の解説から始め, Pinkall による中心アファイン曲線の運動, Hoffmann-Kutz による複素射影直線上の曲線の運動に関する結果を理解することを目標とする. より具体的には次の内容を扱う.
 1. 平面曲線
  1.1 弧長による径数付け 1.2 平面曲線の基本定理
  1.3 平面曲線の運動と変形 KdV 方程式
 2. KdV 方程式
  2.1 孤立波 2.2 2ソリトン解 2.3 Nソリトン解
 3. その他のソリトン方程式
  3.1 変形 KdV 方程式 3.2 Lotka-Volterra 方程式
  3.3 差分 Lotka-Volterra 方程式 3.4 差分 KdV 方程式
 4. 中心アファイン曲線
  4.1 中心アファイン曲線の基本定理 4.2 シンプレクティック多様体
  4.3 Hamilton 流 4.4 中心アファイン曲線の運動と KdV 方程式
 5. 複素射影直線上の曲線
  5.1 複素射影直線 5.2 複素射影直線上の曲線の基本定理
  5.3 複素射影直線上の曲線の運動と KdV 方程式
  5.4 Miura 変換 5.5 複素射影直線上の離散曲線
  5.6 複素射影直線上の曲線の運動の離散化
  5.7 差分 Lotka-Volterra 方程式

期間:6月11日(月)〜6月15日(金)
講師: 柳田 英二 氏 (東北大学大学院理学研究科)
題目: 反応拡散方程式のダイナミクス

講義の概要: 反応拡散方程式は,いろいろな科学分野に見られる様々な非線形現象を記述する重要な偏微分方程式である.この講義では,反応拡散方程式の解の挙動に関する基本的な性質と,非線形現象を数学的に取り扱うための手法について解説する.特に双安定な反応項を持つ場合について,進行波の存在と安定性,空間的に非一様な定常解の安定性,拡散係数が小さいときの界面ダイナミクスとそれらの間の関係について詳しく論じる.
概要と履修上の注意に関する PDF ファイル