2005年度
- 期間:5月29日(月)〜6月3日(金)
講師: 鈴木 貴 氏 (大阪大学大学院基礎工学研究科)
題目:相転移-非平衡・非線形の偏微分方程式
講義の概要: PDF ファイル
- 期間:7月4日(月)〜7月8日(金)
講師: 加藤 信 氏 (大阪市立大学)
題目: 極小曲面論における均衡条件
講義の概要:
幾何学的変分問題の対象の多くは、
楕円型方程式の解として得られることから、
ある種の均衡条件を満たすことを自然に要求されます。
従って、特に対称性を仮定しない一般的な問題設定では、
この均衡条件の精密な分析は避けて通れません。
3次元ユークリッド空間内の完備極小曲面に関するフラックス公式も、
そう言った均衡条件の一つですが、
まだまだ十全に理解されたとは言い難いのが現状でしょう。
この集中講義では、フラックスを用いて記述された
既知の諸結果の中からいくつかを選んで解説し、
時間が許せば今後の展望についても触れたいと考えています。
なお、次の事項については、
講義前に復習しておくことをお勧めします。
発散公式
調和関数に関する最大値原理
有理型関数に関する留数定理
極小曲面の Enepper-Weierstrass 表現公式
- 期間:7月11日(月)〜7月15日(金)
講師: 盛田 健彦 氏 (広島大学大学院理学研究科)
題目:区間入れ換え変換による力学系入門
講義の概要:
区間入れ換え変換は,もっとも簡単な区間力学系の一つである.
とくに,2個の区間を入れ換えるものは,
円周上の回転と同一視できることが古くから知られており,
その力学系的な構造がよくわかっている.本講義では,円周上の回転が定める力学系
から始めて一般の区間入れ換え変換の軌道構造を解説することを通して,力学系研究
のいくつかの基本的な技法を紹介する.
- 期間:12月5日(月)〜12月9日(金)
講師: 和田 倶幸 氏(東京農工大学)
題目:有限群のモジュラー表現
講義の概要:
有限群の標数 p>0 の体上の表現を考えます。これを
モジュラー表現といいます。複素数体上の表現のように,任意の表
現が既約表現の直和に分解してくれませんので,とても複雑です。
R.Brauer (1901-1977) が築き上げたモジュラー表現論には, Brauer
自身の残した予想が未解決のまま残っているものが多いのです。しかし
最近,現代数学の他分野との交流から,Brauer 予想は形を変えて,
発展しています。ここでは, Brauer のブロックの理論を中心に,
モジュラー表現の入門のお話しをします。
- 期間:12月21日(水)22日(木)2月2日(木)3日(金)
講師: 高橋 陽一郎 氏 (京都大学数理解析研究所)
題目:凸集合と端点表示定理
講義の概要:
目次
第T部 端点表示定理とは
1.凸集合とその性質
2.凸包と閉凸包
3.支持平面
4.端点集合と端点表示定理
第U部 端点表示定理の諸相
1.二重確率行列と置換の表現行列
2.離散調和関数と酔歩
3.エルゴード分解
4.ラプラス変換と完全単調関数
5.正定値関数とボホナーの定理
6.完全凹関数とレヴィの表現定理
7.その他の話題