談話会の記録 |
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熊本大学数学談話会
会場:大学院自然科学研究科棟数理演習室301
時間:午後4時30分〜午後5時30分
この談話会は プロジェクトゼミナールと一環しています.
2012年度
日時:12月12日(水)
講演者:庄田 敏宏氏(佐賀大学)
題目:三重周期極小曲面のMorse 指数について
アブストラクト:
よく知られている通り,極小部分多様体は面積関数の臨界点に対応する
ものである。Morse 理論をこの面積関数に適用することにより,極小部分多様
体のMorse 指数や退化次数が定義される。極小部分多様体のMorse 指数は1968
年J.Simons によって考察され,球面内の全測地的部分球面のMorse 指数や退化
次数はSimons 自身が計算している。しかし,その具体例の計算は様々な困難
があり,2 次元版である極小曲面のMorse 指数を計算することですらなかなか
実現されなかった。1990 年代に入り,Montiel-Ros,Ejiri-Kotani,Nayatani ら
による具体例の計算および理論が展開されたのだが,この20 年間,具体例の計
算に関して大きな進展は見られなかった。これに対して,今回,名城大学の江
尻典雄教授との共同研究にて物理・化学で研究されている三重周期極小曲面の
Morse 指数を決定することができた。本講演ではその概略を紹介したい。