談話会の記録 |
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熊本大学数学談話会
会場:大学院自然科学研究科棟数理演習室301
時間:午後4時30分〜午後5時30分
この談話会は プロジェクトゼミナールと一環しています.
2008年度
日時:11月12日(水)
講演者:國分 雅敏 氏(東京電機大学)
題目:双曲型空間の平坦曲面とその周辺
アブストラクト: 曲面の微分幾何において,それが複素関数論と結びつくとき,その理論が著しく発展することがあります.Euclid 空間の極小曲面論が典型です. 本講演では,双曲型空間の平坦曲面など複素解析的取扱いができる曲面(ある種の特異点を許容する曲面)について,大域的性質を中心に紹介します.
日時:10月24日(金) 講演者:大野 泰生 氏 (近畿大学理工学部)
1回目:午後3時15分〜午後4時15分
題目:多重ゼータ値の満たす線形関係式について
アブストラクト: 近年、数学と物理のいくつかの分野に顔を出し、多くの研究成果が得られている、多重ゼータ値について、その満たす有理線形関係式を中心にお話する。古くは、オイラーの見つけた関係式とその拡張に触れ、また、最近知られるようになった関係式も、その証明手法も絡めていくつか紹介したいと思う。
2回目:午後4時30分〜午後5時30分 題目:多重ゼータ値の{2,1}公式と和公式の拡張アブストラクト: オイラーが扱った、等号つき多重ゼータ値に関するここ数年間の研究進展についてお話したい。とりわけ和公式の拡張への様々な試みについて、未解決の部分も含めてお話したいと思う。時間があれば等号つき多重ゼータ値の双対性を見出す取り組みについても紹介したい。
日時:10月22日(水)
講演者:Nicola Fusco 氏 (Napoli大)
題目:A variational model for the growth of thin filmes
日時:7月16日(水)
講演者:森 真 氏(日本大学)
題目:力学系から作られる疑似乱数
アブストラクト: [0,1]の上の関数の積分を計算するのに,一様乱数の値を用いる方法をモンテカルロ法といいます.大数の法則と中心極限定理により,この収束はNの平方根の逆数のオーダーであることが知られています.それに対し,実数列(疑似乱数)x_1,x_2,...を用いて(f(x_1)+...f(x_N))/Nにより積分を近似するものを擬モンテカルロ法といいます.low discrepancy 列といわれるよい疑似乱数を用いると,この収束のオーダーはlog N/Nになることが知られています.この講演では,力学系から疑似乱数を生成し,力学系に対応するPerron-Frobenius作用素のスペクトルを用いて,この疑似乱数がlow discrepancyになる条件について調べます.高次元の疑似乱数を作る困難についてもお話ししたいと思います.
日時:7月11日(金)
講演者:石川 剛郎 氏(北海道大学理学研究院)
題目:実代数幾何学とトロピカル幾何学
アブストラクト: 実代数幾何学は実係数多項式が定める図形の研究であり,永い歴史を持つ.近年,現代数学との関わりの中で実代数幾何学が見直され,新しい展開があった.今回は,特に,Hilbert 第16問題から発展してきた位相的研究と,最近注目されつつあるアメーバやトロピカル幾何学との関係について説明する.また,他分野への応用についても簡単に紹介する予定である.
日時:7月2日(水)
講演者:秋山 献之 氏(福岡大学・理学部)
題目:On projective planes of order 12
アブストラクト: 有限射影平面は対称2デザインの特別な族として,多くの研究がなされて来が,未だに多くの未解決問題をもっている.ここでは,その中で「有限射影平面の位数は素数べきである」という予想に関連して,現在,存在・非存在の知られていない最も小さい位数12の射影平面の研究の歴史と最近の結果について紹介する.
日時:6月20日(金)
講演者:小澤 徹 氏(北海道大学大学院理学研究院)
題目:擬共形不変な非線型シュレディンガー方程式に対する波動作用素の性質
アブストラクト: この講演は Remi Carles との共同研究に基づくものである。(1+n)次元時空に於ける擬共形冪1+4/n を持つ非線型シュレディンガー方程式の波動作用素についての新しい関係式を紹介し、その意義について説明する。応用として零ゲージ条件を満たす微分型非線型シュレディンガー方程式の波動作用素についての新しい関係式と、非線型ポワソン総和公式を導く。