談話会の記録 |
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熊本大学数学談話会
会場:大学院自然科学研究科棟数理演習室301
時間:午後4時30分〜午後5時30分
この談話会は プロジェクトゼミナールと一環しています.
2007年度
日時:12月19日(水)
講演者:奥山祐介氏(京都工芸繊維大学)
題目: 複素力学系の等分布定理と値分布理論
アブストラクト: 複素力学系の等分布定理は有理写像族の零点分布の漸近的普遍性を意味し、複素力学系のエルゴード論的研究の出発点である。本講演では複素力学系と有理型写像の値分布理論とを相互参照しながら、David Drasin教授(Purdue大学)との共同研究において得られた、等分布定理の定量化とそのエルゴード論への応用について述べる。
日時:10月17日(水)
講演者:藤岡 敦 氏 (一橋大)
題目: 複素双曲線上の曲線の運動と離散化
アブストラクト: 可積分系と関わる微分幾何に現れる対象は, 離散化とよばれる手続きによって本質的構造が明らかにされると期待され, 曲線の場合においても活発な研究が行われている. ここでは特に Burgers 方程式の現れる, 可積分で離散化も伴う曲線の運動として複素双曲線上の曲線の運動に触れたい.
日時:6月14日(木)
講演者:柳田 英二 氏 (東北大学大学院理学研究科)
題目: 放物型偏微分方程式における大域安定性と複雑ダイナミクス
アブストラクト: ある種の放物型方程式は層を成す定常解の族を持つことが 知られている.この場合には各定常解が弱い意味の安定性を 持つことはすぐに分かるが,適当な関数空間に制限することに より,解の大域的安定性を示すことができる.さらには大域的 安定性の応用として,非収束解の存在を示すことができる. この講演では超臨界的指数を持つ藤田型方程式が以上のような 性質を持つことを示し,また同様の構造を持つ他の方程式に ついて紹介する.