談話会の記録 |
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熊本大学数学談話会
会場:大学院自然科学研究科棟数理演習室301
時間:午後4時30分〜午後5時30分
2005年度
日時:12月22(木)
講演者:高橋 陽一郎 氏 (京都大学数理解析研究所)
題目: 積分表示としての端点定理
アブストラクト: コンパクト凸集合における端点表示定理は、証明の武器になることも、解釈 に終わることもあるが、積分表示定理であるということを主張したい。 例えば、円板上の調和関数に対するPoissonの公式*、正定値関数に対する Bochnerの定理などは解析学においてよく知られたその例である。また、 コンパクト力学系におけるエルゴード分解定理*もそうである。 確率論においても、ラプラス変換*、二重確率行列の表現*、Levy過程の表現 定理などはその例を与える。 できれば、最近得られている諸結果についても、端点表示定理の視点からの 紹介を試みたい。
*印は講義で取り上げる/触れる予定。
日時:12月7日(水)
講演者:和田 倶幸 氏(東京農工大学)
題目: 有限群のカルタン行列における固有値の整数性
アブストラクト: 有限群の標数 p>0 の体上の表現を考えます。既約 表現と主直既約表現の関係を表すのが,カルタン行列です。カルタン 行列の固有値については,ほとんど何も知られていませんでした。特に 固有値が整数になるのはどのような場合か,固有値や固有ベクトルは 何を表すのか,などについて最近の結果をお話しします。
日時:7月13日(水)
講演者: 盛田 健彦 氏 (広島大学大学院理学研究科)
題目: Singular perturbation of symbolic dynamics
via thermodynamic formalism
アブストラクト: パラメータ t>0 をもつ記号力学系が,$t\to \infty$ において, アルファベットの数がもとの系より少ない記号力学系に移行する現象を熱力学形式を 用いて定式化し,それを利用してフラクタル集合の退化・崩壊現象を取り扱う試みを 紹介する.
日時:7月6日(水)
講演者: 加藤 信 氏 (大阪市立大)
題目: n-end catenoid の障害と相対 weight
アブストラクト:埋め込まれた端のみを持つ極小曲面がどのように壊れるかに ついては、複数の研究者による結果があります。特に limit normals が2次元を張りかつ曲面がはめ込まれた 平坦領域を囲む場合については、Cos'in-Ros によって 詳細な分析がなされていますが、3次元を張る一般の場合に ついては、未解明の部分が多いように思います。 今回は flux 公式の逆問題(無限遠における Plateau 問題) において解の存在への障害となる非存在条件と壊れ方との 関連を、以前導入した相対 weight を用いて記述しよう と言う試みについてお話ししたいと思います。