談話会の記録 |
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熊本大学数学談話会
会場:大学院自然科学研究科棟数理演習室301
時間:午後5時00分〜午後6時00分
2004年度
日時:12月14日(火)
講演者: 榎本 一之 氏(東京理科大)
題目: 4次元ユークリッド空間内の平坦トーラス
アブストラクト: 4次元ユークリッド空間内の曲面で、2次元リーマン多様体としての曲率がいたる ところで0であるものを平坦な曲面と呼ぶ。そのような曲面の幾何学に関しては 100年以上も前にBianchiによる研究があり、その歴史は古い。しかし、平坦な閉 曲面(トーラス)の一般的な性質が解ってきたのは最近のことである。この講演 では、現在までに解明されたことを解説し、今後の課題として残っている問題を 紹介する。
日時:11月17日(水)
講演者: 三町 勝久 氏(東工大理)
題目: 共鳴条件下での正則化可能サイクルのなす空間について
(局所有限ホモロジーと有限ホモロジーの比較)
アブストラクト: ねじれホモロジーの理論において,過去の多くの議論では, 局所有限ホモロジーと有限ホモロジーとが同型である場合が 扱われてきた.今回は,この条件が崩れるとき(共鳴している=resonantという ), どのような現象が起こり,どういやらしくなるか,そして,それでも,いや, それだからこそ,こんな面白いことがありますよということを述べる.
日時:11月10日(水)
講演者: 佐々木 洋城 氏(愛媛大学 理学部)
題目: ブロック多元環のコホモロジー環と"transfer写像"
アブストラクト: 有限群のブロック多元環は添加写像を持たないため,通常の 群のコホモロジーの理論を適用することはできないので, 多元環としてのコホモロジー環(Hochshildコホモロジー環) が従来,考えられてきた.しかしながら,このHochshild コホモロジー環を解析することは,一般に困難であって, 有限群の表現論への応用例はないといってよい.そこで, 最近,M. Linckelmann によって,ブロックの部分対のなす Brauer圏の不変量として,「ブロック多元環のコホモロジー環」 が定義された.これが「コホモロジーの理論」として,機能する ためにはブロック多元環のコホモロジー環の間に,自然な写像 がなければならない.しかし,残念ながら,このような研究は いまのところ知られていない.そこで,Brauer対応で対応する ブロック多元環のコホモロジー環の間に「制限写像」や 「transfer写像」が存在するかを課題としたい.この談話会では 「transfer写像」を定義する試みを紹介したい.
日時:10月6日(水)
講演者: Costin Vilcu 氏(ルーマニアアカデミー数学研究所)
題目: Farthest points on convex surfaces
アブストラクト: The study of the metric properties of a convex surface S easily provides intuitive questions concerning measurements. Let F_x denote the set of farthest points from a point x in S, i.e. the set of all points in S at maximal distance from x. The aim of this talk is to present several properties of the sets F_x and of the naturally induced mapping F.
開催日:8月2日 (月) 午後5時30分〜午後6時30分
講演者:桑江 一洋 氏(横浜市立大学総合理学研究科)
題目:対称マルコフ過程における摂動について
アブストラクト: 対称マルコフに対応する生成作用素に低階の微分作用素に相当する作用素を用いた摂動を与えて得られる非対称な作用素を考える。その作用素に関するコーシー問題の解をもとのマルコフ過程を用いて確率論的な表示を与えのが目的である。これは古くから知られているファイマン.カッツ公式やずれの変換に関するギルサノフ丸山の公式を包含する 一般的な結果であり、特にファイマン.カッツ公式に関しては2階微分が超関数 となるような関数の2階微分をポテンシャルとするものまで含んでいる。
開催日:7月2日(金)午後4時30分〜午後5時30分 講演者:小薗 英雄 氏(東北大・理) 題目:Turbulent solutions of the Navier-Stokes equations
開催日:6月23日(水) 講演者:落合 啓之 氏(名古屋大) 題目:特殊なHeun の微分方程式の接続問題
アブストラクト:非可換の調和振動子のスペクトル問題から生じた Heun の微分方程式を素朴に解析することで、スペクトルの縮退と縮退状態の記述へ応用できることを解説する。
開催日:6月2日(水) 講演者:仲田 均 氏(慶應義塾大学理工学部) 題目:St Petersburg Game と期待値無限大の定常確率過程
アブストラクト: 18世紀に Daniel Bernoulli 考えた St Petersburg Game は期待値無限大の定常確率過程の問題として20世紀に Feller を始めとして多くの研究者の興味の対象となった。本講演では確率過程の大数の法則を軸にしてその歴史を trimmed sum の問題と共に概観し、そこから派生した最近の結果について紹介する。
開催日:5月12日(水)
講演者:清原 一吉 氏(岡山大学理学部)
題目:射影同値な計量とリウヴィル多様体