過去のセミナー・講演
第19回物理学ゼミナール(プロジェクトゼミナール)
[日時] 5月29日(木) 16:10より
[場所] 理学部2号館1階大講義室(C122)
[講師] 嶺重 慎教授 (京都大学大学院理学研究科)
[演題] 超臨界降着流
[要旨]
ブラックホールに球対称に落ち込むガスには、エディントン限界光度という限界光度があり、これを超えると、あまりにも強い放射圧によってガスがブラックホールに落ちることができないことがわかっている。
しかし、円盤状にガスが落ち込むときには、エディントン臨界光度を与えるガス降着率(臨界降着率)を超えた降着が可能かもしれない。
そのような流れを、超臨界降着流といい、われわれはここ数年このテーマにとりくんできた。そして、2次元軸対象の放射流体シミュレーションにより、実際、このような流れが定常的に存在すること、そこでは降着のみならず、噴出(アウトフロー)も盛んにおこること、放射は円盤面に垂直方向に選択的に出ていくため、その方向から見ると、見かけ上、エディントン光度の10倍以上の明るさに見えることなどを見出した。
講演では、まず、このような興味深い流れのシミュレーション結果を示し、次に、きわめて明るいブラックホール天体、超高光度X線源(ULX)は、中間質量ブラックホールではなく、恒星質量ブラックホールへの超臨界降着であることを概説する。最後に、最新の放射・磁気流体シミュレーションの結果も合わせて、ブラックホール降着流の数値シミュレーション研究の現状をレビューする。
[場所] 理学部2号館1階大講義室(C122)
[講師] 嶺重 慎教授 (京都大学大学院理学研究科)
[演題] 超臨界降着流
[要旨]
ブラックホールに球対称に落ち込むガスには、エディントン限界光度という限界光度があり、これを超えると、あまりにも強い放射圧によってガスがブラックホールに落ちることができないことがわかっている。
しかし、円盤状にガスが落ち込むときには、エディントン臨界光度を与えるガス降着率(臨界降着率)を超えた降着が可能かもしれない。
そのような流れを、超臨界降着流といい、われわれはここ数年このテーマにとりくんできた。そして、2次元軸対象の放射流体シミュレーションにより、実際、このような流れが定常的に存在すること、そこでは降着のみならず、噴出(アウトフロー)も盛んにおこること、放射は円盤面に垂直方向に選択的に出ていくため、その方向から見ると、見かけ上、エディントン光度の10倍以上の明るさに見えることなどを見出した。
講演では、まず、このような興味深い流れのシミュレーション結果を示し、次に、きわめて明るいブラックホール天体、超高光度X線源(ULX)は、中間質量ブラックホールではなく、恒星質量ブラックホールへの超臨界降着であることを概説する。最後に、最新の放射・磁気流体シミュレーションの結果も合わせて、ブラックホール降着流の数値シミュレーション研究の現状をレビューする。