「サイエンス・プロジェクト for 九州ガールズ!2010」
聞いてみんね、見つけんね! ~理系女性のロールモデル~
第3回 女子熊大生と女性研究者による講演会および懇談会
日時:平成22年10月23日(土)14:00~16:00
場所:熊本大学医学部保健学科
参加者:中高校生84人、保護者16人、教員2人、その他1人(県教育委員会より)
【講演風景】 【生徒アンケート結果】 【教員・保護者アンケート結果】(アンケート回収率85%)
第1部:理系を研究している学生の女性ロールモデル
テーマ:理系を学ぶキッカケと学んで良かったと思うこと
講演1:数学を研究している大学生 【発表資料】
講師:藤本 春香さん
(熊本大学 理学部理学科 数理科学プログラム 4年)
講演2:生物学を研究している大学院生 【発表資料】
講師:藤野 梨香さん
(熊本大学大学院自然科学研究科 理学専攻・生命科学コース 脳生理学 M2)
講演3:物理学を研究している大学院生 【発表資料】
講師:富田 美紀さん
(熊本大学大学院自然科学研究科 理学専攻・物理科学コース M1)
講演4:工学を研究している大学院生 【発表資料 準備中】
講師:木下 優さん
(熊本大学大学院 自然科学研究科 マテリアル工学専攻 M2)
講演5:薬学を研究している学生 【発表資料】
講師:吉田 優子さん
(熊本大学薬学部薬学科 5年次生 薬剤情報分析学)
第2部:理系研究者の女性ロールモデル
テーマ:地球環境科学研究の面白さ 【発表資料】
講師:可児 智美 先生
熊本大学大学院自然科学研究科(理学) 助教
第3部:理系の就職事情あれこれ
【資料「平成21年度熊本大学進路関連データ」】(熊本大学キャリア支援課提供)
講師:森田 敏子
熊本大学大学院生命科学研究部 教授
「平成21年度熊本大学進路関連データ」資料をもとに、 「様々な就職先がありますが、高校生の皆さんが大学を卒業する時には、経済事情も変化しているので就職事情も変化しますが、理系に進路を選択することで就職の可能性も広がるでしょう。」との説明がありました。
中高校生と保護者からの質問と感想
質問:理系が好きなので今日参加した。高校生のとき、どうやって勉強しましたか?
回答:宿題は確実にしました。定理を自分で解いてみる、同じ問題を何回も解いてみる、色んな種類の問題を沢山解いてみるという勉強をしました。
質問:勉強している意味が分からなくて困ります。なぜ勉強するんですか?
回答:勉強する必要性や意味は分かっているけど、勉強する気持ちになれないことってありますよね。そういうときは、自分で自分にご褒美をあげるといいと思います。たとえば、ここまでできたら、美味しいチョコを食べるとか、自分で合格ラインをつくるとか、そうすると、意外にできちゃって勉強が嫌じゃなくなると思います。
回答:高校のとき就職も考えたけど、明確な就職先がわからなかったから大学で自分の将来をみつける時間が欲しいと思った。そこで大学に行きたいと思い、合格できるように勉強をした。
回答:勉強すると色んなことを知ることになる。「知ったら面白くなる」と考えるようにすると勉強を楽しむことができると思う。
回答:「たとえば、歴史とかは記憶力を鍛えるのが勉強だし、数学とかは問題を解いて論理的な思考を鍛えるのが勉強だ」そう思えば嫌いな科目でも勉強できるのではないかと思う。
質問:高校生のとき、どのように成績を伸ばしましたか?
回答:1日1日あせらずに、1人で勉強するのではなく、友達や仲間と勉強してモチベーションをあげて頑張って成績が伸びた。
回答:みんなが頑張っている姿が目に見える場所で勉強するのが勉強法として良いと思う。
回答:目標を決めて勉強すると、それに向かって頑張れる。頑張ると成績も伸びていく。
質問:今高校2年生ですが、地歴の選択で、地理と歴史でどちらを選択したらよいですか?
回答:周りの大学生の友達は地理を選択している人が多かったと思う。自分の興味のある科目を選択するのが良いと思う。「自分はどっちが好きか」と考えてみるとどちらかの科目が選べるでしょう。
感想:自分の興味ある分野だけでなく、広く目を向けることが必要と思った。
感想:地球科学が好きなので、講話が聞けて良かった。
感想:(成績の関係から)理想と現実のギャップはあるが、色んな学部のことが分かって良かった。とても参考になった。
最後に
5人の理系を研究する女子学生は、理系を学んで良かったこととして、
「面白い問題に出会える」 「みんなで問題を解いて喜びを分かち合える」 「論理的思考能力がつく」 「学部・学科を越えて研究できるので、様々な経歴の人と出会えて面白い」 「小学生のときプラネタリウムを見たのが理系に進みたいと思うきっかけ」 「理系は、理系科目だけではなく、医学、薬学、工学、心理学など色んな学問の方と研究できるので楽しい」 「理系は社会に貢献できるプロフェッショナルな仕事だと思う」 「グローバルな人材育成のための様々な支援、たとえば国際奨学事業などがあるので、留学とかもできる」 「女性は少ないけど、その分縦のつながりが強いので頼もしい」 「コミュニティのあり方が、文系と違って、大学で実験などをしていくので大学に自分の居場所がある」 「専門性は鍛えられる」 「やる気さえあれば、色んなことにチャレンジできる」 「理系の実験で失敗に出会うが、そのときに論理的思考を駆使して一生懸命考えて創意工夫する。すると、新しい発見があり楽しい。」 |
といった発言があり、高校生が理系に進むようにエールを送りました。
可児先生は46億年前の地球誕生の歴史を隕石の研究から話され、海の誕生、生物の絶滅など、あらゆる年代の地球科学(質量分析)について話され、スケールの大きな研究の可能性を語り、高校生の興味を引きました。
多くの中高校から参加があり、中高校生同士でも勉強への刺激を受けたようでした。高校生からは、「理系に進むために勉強しようと思った」「負けてはいられない」という感想が聞かれ、勉強にやる気がでてきたようでした。参加された皆様、関係者の皆様に感謝いたします!
お知らせ |
本講演会の模様はTKU(テレビ熊本)
「探検!まるごと熊大キャンパスライフ」―Vol.①女性研究者になりたい!― 11月13日(土)16:00~16:30 (再放送 11月19日(金)14:33~15:03) にて、熊本大学理学部の紹介の一部として放映されます。 |