高大連携「サイエンス・プロジェクトfor九州ガールズ!」出前講義
日時:平成22年11月20日(土)10:00~12:00
場所:熊本県立第一高等学校
講師:古島幹雄先生(熊本大学理学部長)
対象者:理系志望3年生 20名、教諭5名
テーマ:女子高校生数学力アップ特別講座
【 講義風景 】 【 アンケート結果(生徒) 】 【 アンケート結果(教員) 】
講義内容:
1.
合成関数の微分法
(1)
便利な公式(おつりを忘れない)
(2)
定積分の問題を微分法で解決できる!?(合成関数の微分法が役立つ)
(3)
微分法の教え:微分のことは微分でやれ(自分のことは自分でやれ)
2.
定積分と漸化式
(1)
定積分の値で定義される数列については部分積分法を用いて漸化式を作れ
(2)
一般項求めるときは小さい番号の所から始めて一般の形を想像する
(3)
被積分項が整式で展開が容易なら部分積分は使わない方が良い
3.
変動区間における最大・最小値
(1)
Y=f(x)グラフの概形を描く
(2)
区間[t, t+1]を左から右へゆっくり動かす
(3)
極大値・極小値をとる区間を通過するときの様子を見る
アドバイス
1.
苦手(ニガテ)と嫌い(キライ)は違う
・数学を専攻している高校生は、数学嫌いではない(と思う)
・数学を専攻している高校生が、数学が上手く解けないとニガテになる
・ニガテなのは数学の問題に慣れていないから→慣れるために何度も問題を解く
2.
頭の中で解いてみる、頭の中で反芻する
・心の中で自分に問いかける(公式に入れてみると解き方が見えてくる)
・教えてもらって気がつくのはダメ、迷惑!(人に迷惑かけてはいけない)
・イマジネーションを働かせる(神のお告げがあれば良いが、そんなものはない)
3.
数学の問題を解くとき、正解がどうかは不安
・入試問題は正解できるように作ってある
→どの道(公式に入れる、分解するなど)から正解にたどり着いて良い
→思考過程を残しておく
・手品の種あかしを楽しむ(問題に解答を導くヒントが潜んでいる)
・間違うリスクを最小に解く(公式を知っていれば間違うリスクも少なくなる)
4.
問題が解けないのは気がつかないから
・目の前のものだけを見ていてはダメ、目の前だけを見ていても気づかない
・「気がつかないことはないか?」に自分で気づくことが大事
→常に背後(数式のストーカーはいないか?)を見る
→数式の慣れの果ては、何か?
→ログ(log)は便利、リミットは近づくこと
・緊張感を持って問題を見る・緊張感を持って問題を味わう
5.
ものを覚えるヒント
・気をつけなければいけないところを覚える(公式、リミット、変動)
・値は同じでも値はいろいろ(2×5=10もあれば、1×10=10もある)
・愛が地球を救う→ATG→明るく・楽しく・元気よく、数学の問題に挑戦
2時間の数学の講義が、あっという間に終わりました。時々、「おじさんギャグ」が入り、聴講していた先生方には大受け、高校生にも大受け(したかしら?)、とにかく数学が身近なものになり、楽しめました。私も、「古島幹雄先生のような教え方をしてくれる先生に、中学か高校生のとき出会っていたら、数学が大好きになっていたかもしれないなぁ」と思えるほど、お得感たっぷりの数学講義でした。高校生にとって、数学ニガテ意識を払拭する貴重な時間になりました。
最後に、「サイエンス・プロジェクト for 九州ガールズ」の横断幕を広げて、全員で記念写真を撮りました(いぇ~! 数学がんばるぞぉ! 楽しむぞぉ!)。
(文責:森田敏子)