purescience
第13号 2018年12月
巻頭言
理学部長 市川 聡夫
「Pure Science」第13号をお届けいたします。熊本大学理学部の教員がそれぞれの分野の研究について、高校生や大学初年次の理系学生向けに分かり易く説明し、研究の醍醐味や面白さを紹介しています。皆さんが「Pure Science」を通して、理学研究に興味や関心を持って頂ければ幸いです。
第13号の原稿を読んで一番に感じたのは、「なんて理学部の研究は幅広いんだ!」ということでした。是非、ご自分の興味ある分野だけでなく、5人全ての先生の「力作」をお読みいただければと思います。
数学コースの濱名先生は数学者であり続けることの意義と苦労について、物理学コースの中島先生は高圧の研究が地球内部の理解に必要であることを語られています。化学コースの大谷先生は“ボトムアップ”で作る分子のレゴブロックについて、地球環境科学コースの磯部先生は鉱物の再現実験を通して隕石などの天然試料の研究について、手法や具体例を交えて説明されています。生物学コースの副島先生は調査採集で訪れた韓国から、阿蘇の草原植物のふるさとである大陸での材料採集を通した研究への熱い想いを記されています。
「Pure Science」を通して、其々の研究分野の特徴や、先生方のキャラクターや研究に対する情熱を感じとって頂ければと思います。多角的な視点を持ち、新しい研究分野を想像する、次世代を担う理学研究者が誕生することを期待します。