熊本大学 理学部

出前授業

熊本大学理学部への出前授業の申し込みについて

 熊本大学理学部では熊大共通の申込フォームから出前授業を申し込めます。以下の点にご留意の上、お申込み下さい。

申込にあたり留意して頂きたい事項
  • 実施希望日の1か月前までに(できれば2か月前を目途に)お申し込み下さい。
  • 原則として、講師の派遣に要する旅費については、派遣希望の高校で負担をお願いします。なお、近郊の高校であればご相談に応じます。
  • 業者が企画している出前授業には協力しかねます。
  • 熊本大学高大連携室の「出前授業申込フォーム」より申請して下さい。
  • 以下に出前授業のテーマ例をコースごとに記載しています。希望されるテーマを選んで、申込フォームの学科にコース名を、分野にテーマ名と担当教員名をご記入下さい。テーマが絞れない場合は、コース名だけの記載でも結構です。
  • 第二、第三希望は記載されなくても結構です。
  • 既に教員と個別に連絡をとり、内諾を取っている場合は、備考に「内諾あり」と書き、コース名、教員氏名を第一希望に記載して下さい。
理学部出前授業テーマ例
A. 数学コース
No. 授業担当者 タイトルおよび概要
A-1 杉﨑 文亮
無限の摩訶不思議
 有限と無限の違いを集合を使って解説します。常識的には不可能と思えることが無限集合では起こることを体験できるはずです。また「選択公理」と呼ばれる直感的に当たり前だと思える事を説明し、しかしそれを認めるととんでもないことが起こりえることもお話しします。
A-2 杉﨑 文亮
線分比と物理の意外な関係
 三角形を土台にして、そこに現れる線分比を計算することは中学時代(平行補助線を引く)、高校時代(ベクトルを使う)でやっていると思います。またチェバの定理、メネラウスの定理を用いて線分比を計算することも可能です。この講義では物理の現象を用いて線分比を鮮やかに求めることを目標にします。数学と物理のコラボレーションを楽しんで下さい。
A-3 阿部 健
直線の本数を数える
 4直線問題というのをご存じでしょうか?
空間内に4本の直線が配置されているとき,これらの全ての直線と交わる直線は何本あるか,という問題です.この問題の解説を通して,直線のモジュライ空間であるグラスマン多様体という図形を紹介したいと思います.
A-4 安藤 直也
円周率の話
 円周率は非常に基本的な数ですが、大昔から円周率がどのような数なのか関心を持ち続けられてきました。
円周率を通して、普段とはちょっと違う数学を見てみましょう。
A-5 安藤 直也
曲線の曲率
 曲線と言われれば曲がっているものを思い浮かべます。
曲線の曲がる程度を表す量である曲率というものを紹介します。
そして放物線や楕円の曲率を求めます。
A-6 貝瀬 秀裕
確率論における極限定理について
 確率論はランダムな現象を扱うための数学理論です。ランダムな試行において、試行回数を増やしていくと一定の規則性を見出すことができます。極限定理はそのような規則性に関する数学的結果です。コイン投げの反復試行を題材に、確率論におけるいくつかの極限定理を、シミュレーション結果を交えて紹介します。
B. 物理学コース
No. 授業担当者 タイトルおよび概要
B-1 市川 聡夫
超伝導でみえる量子の世界
 原子スケールで観察される量子の世界が、超伝導では私たちが認識できるマクロなスケールでも観察できます。温度とは何か?から始めて、低温における物理現象と一緒に、これらの現象を紹介します。
B-2 原 正大
ナノスケールの物理
 パソコンやスマートフォン等の電子機器は、肉眼では見えない小さな電子部品により構成されており、それらの挙動は「ナノスケールの物理」により支配されている。人類はどのようにして、ナノスケールの世界を理解し、制御することが出来るようになったのか、歴史的な背景も含めて紹介する。
B-3 矢嶋 哲
E = mc2 の導き方
 アインシュタインが与えたエネルギーの公式"E = mc2"を数式を用いて導き出す。(90分程度)
B-4 下條 冬樹
コンピュータで見るミクロな世界
 コンピュータシミュレーションで解き明かされた固体や液体の中の原子や電子の動きをコンピュータグラフィックスを用いて解説します。
B-5 高橋 慶太郎
宇宙の始まりにせまる
 宇宙はどのようにして始まり、今後どうなっていくのか。このような問いはかつては哲学で扱われましたが、20世紀の物理学の革命により科学的に研究できるようになりました。授業では、宇宙の始まりを記述するビッグバン理論について平易に解説します。
B-6 高橋 慶太郎
人類はついにブラックホールを見た
 ブラックホールはSFや想像上の天体ではなく、この宇宙に実際に存在します。そして最近ついにブラックホールの画像も得られました。真っ黒なはずのブラックホールをどのようにして見つけることができるのか、またブラックホールはどのようにしてできたのか、最近の研究について解説します。
B-7 高橋 慶太郎
地球外に生命はいるか
 この問題は人類にとって大きな謎でありこれまで空想やSFで扱われてきましたが、近年ようやく科学的なテーマとして研究されるようになってきました。太陽系探査や最先端の観測技術によって地球に似た環境を持つ惑星、生命がいるかもしれない天体などが続々と見つかっています。この授業ではこうした研究について紹介し、地球外の生命に思いを馳せます。
C. 化学コース
No. 授業担当者 タイトルおよび概要
D. 地球環境科学コース
No. 授業担当者 タイトルおよび概要
D-1 横瀬 久芳
ポイ捨てが引き起こす海洋汚染
 海洋環境の汚染は、陸上に住む人類の何気ない行動によって進行していきます。本講義では、人間生活と海洋汚染の因果関係を海洋学的視点から解説します。
D-2 横瀬 久芳
深海魚はどうしてあのような形になったのか
 深海魚は奇抜な形をしています。どうして、彼らはあのような形になったのでしょうか?講義では、海の持つ海洋物理学的特徴と深海魚の形態上の合理性に関して解説します。
D-3 磯部 博志
地球とは?
 宇宙のどこかにもう一つの地球はあるだろうか 地球は、我々にとって身近な、「当たり前」の惑星です。しかし、この宇宙の中で、地球は本当に普通の星でしょうか。急速に進みつつある探査、観測によって明らかとなってきた太陽系の各惑星、さらには太陽系の外に存在する惑星の姿との比較を通して考えてみましょう。
D-4 磯部 博志
地球・太陽系と宇宙の時間・空間スケール
 そして人類 地球・太陽系と宇宙のスケールを、空間の広がりと歴史の長さを尺度に具体的に比較します。これらを通じて、地球に人類が暮らすことの意味と、その存在がどのような背景に支えられているのかについて考えます。
E. 生物学コース
No. 授業担当者 タイトルおよび概要
E-1 嶋永 元裕
有明海・八代海の環境と生物
 有明海・八代海には、国内ではここにしかいない生物(有明海特産種)や、他の海域ではほとんどみられない生物(有明海準特産種)が多数生息している。これらの生物の現状と地史との関係、有明海・八代海の環境変化と人間生活との関係などを概説する。
E-2 澤 進一郎
寄生・共生のふしぎと農業害虫への応用
 ヒトをはじめとして、いろいろな動植物に寄生・共生する生き物はたくさんいます。その例を紹介し、寄生・共生する生き物の生態学的な意義について皆さんと考えてみたいと思います。また、農業害虫の農作物への寄生動物の例を紹介し、その寄生の仕組み等についてクイズゲームを通して学びます。また、農業への応用研究についてもご紹介します。
E-3 斉藤 寿仁
生物学における4大原理
 「生命とは何か?」は生物学における最も根源的な問いですが、それに明確に答えるのはいささか難しいです。この授業では生物学における最も基本的な4つの原理「細胞」「遺伝」「化学反応」「進化」について、それらの発見に関わった研究者の足跡と人柄、エピソードを紹介しながら、「生命とは何か?」を考えたいと思います。授業の最後では生物学や生命科学のこれからの展開や発展について考えてみましょう。
E-4 斉藤 寿仁
ゲノムDNA研究の最先端
 A/T/G/Cの4種類の塩基の並び方で表されるDNA情報は、世代を超えて継承されると同時に、その並び方に変化が生じた場合は進化や病気を誘引します。一方で、ヒトのゲノムDNA配列の90%以上が遺伝子としてタンパク質に読み取られないことも分ってきました。授業では、多量のDNA塩基配列をインストールした生物が、エピジェネティクスと呼ばれるOSを起動して、どのように塩基配列から情報を読み取るのかについて最近の研究を紹介しながら、ゲノム・遺伝子操作の社会的影響や倫理的側面も考えたいと思います。